雨の記憶

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水属性なのでてっきり群青か水色だと思った読者もおられよう。 かく言う俺も驚いた。 「こんな服はずかしくて着れないよー!」とか言って恥じ入っていた頃が懐かしく偲ばれる。 魔法少女らしくもう少し可愛めのデザインでも良い気がするのだが、恐らく魔女達への怨念により変化しているのだ。 「お姉さんとお揃いだー。わーい」とか言ってたけど多分違う。見たこと無いから誰も解らないが。 おっと、 思いふけって解説が疎かになったが戦いは既に始まっている。 仙任先輩が手をかざし、呪文を唱えると人が集まって来た。 わらわらと、魔女とは無関係そうな私服の人達が数十人、数百人と堤防に押し寄せて来る。 「私を倒したくば先ずは千人のお友達と遊んで頂きますわ。 クスクスクス、でもその人達は魔女とは何ら関係の無い一市民。 どう?あなたに殺せる?」 「く…!」 仙任先輩は箒を操り更に高度を上昇させる。 何と卑怯な。 自らは射程外へと逃れ、市民を操る。 市民は白目を向いて飴野に掴みかかり攻撃を仕掛ける。 「仕方ない!」 呪文を詠唱。 飴野は雨で集めた水流を操り人混みに投げる。 堤防に押し寄せた民衆の一塊が川へと落下する。 「大丈夫、下は川だ。」 「それ魔法少女がやったらあかんやつや。」
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