雨の記憶

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「放課後、俺達は仙任先輩を振り切って走って帰った。 途中で追い付かれそうだったが、そこはガッツと努力のダッシュで巻いた。」 「はぁはぁ。ナレーション、台詞に出てるよ。」 「これこそが俺のナレーションスタイル!まぁ何だ、上級生か知らんけど流石に男子の持久力には敵わないらしい。」 「って言うか何で逃げるの? 犬飼いたくなった?」 「首を傾げるその仕草が存分に可愛い。くっそ、こいつ誘ってやがるぜ。」 「誘ってはいないけれども。 僕傘持って無いんだよね。濡れて来たからそろそろ入れて、」 「うおぉマジでか。 こいつもしかして俺と相合い傘する為にわざと毎日雨降らせてるんじゃ無いかと思われたが、濡れてる子犬感が半端ではなかったので、俺は気取られない様に渋々入れてやるのだった。 初めてなので先ずは優しくゆっくり、後ろから入れてやるのだった。」 「何その解説、」 「もう慣れただろ?」 「慣れたけども。」
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