雨の記憶

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魔法にも属性が有り、 何でもかんでも支離滅裂に無から有を無尽蔵に産み出せる訳ではない。 飴野茉穂の家系は水属性である。 炎系魔法も訓練すれば使えるが、コスパが悪く威力も弱い上にMP消費が異常に激しい。 苦手分野を克服し、平均的に弱い魔法を使用出来るより 得意分野を集中的に鍛練する方が伸び代も大きい。 授業の他修行に使う目に見えぬ時間と魔法体力を費やすには限りが有るのだ。 それに何より飴野には時間が足りない。 「言い忘れていたが、仙任先輩は魔女だ。」 「魔女!?魔女、殺すべし!」 「あぁ、言うか迷ったがやはり迂闊に言うべきでは無かった! お前のその魔女への呪いじみた執着は何なんだ!?」 「魔女は姉さんの仇だ! 僕は魔法少女として、全ての魔女を殺す!!」 そう、最愛の姉を殺された飴野茉穂はとある魔女達の一大組織を一手に敵に回した。 奴等の追っ手が町に潜み、何時襲い来るとも知れない。 「仇を討てばそれで良いだろ!?お前の姉さんを殺した魔女の一団とは別の組織の魔女かも知れないし…。」 「ああ、そう言えば魔法少女と魔女との違いは何なの?年齢?」 「年齢と言っても良いが厳密には違う。第二次成長期を向かえる女性達の性的事情による魔法増幅の変化の関係でだな、その…うん…。」 「簡潔に述べよ。」 「ああ、じゃあ ヤったか否か。」
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