第5章 潜入 悪霊の巣窟へ

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 松田祥子(まつだしょうこ)。  四十三歳。  年齢不詳、素性も謎に包まれていると世間で噂の輝耶の本名と年齢である。  心霊相談会で目にした輝耶の姿を思い浮かべる。  歳のわりには若く見えるといえばそうなのかもしれない。  相談会で見た輝耶の滑稽な姿は確かに違った意味で謎めいていた。  舘ノ内さんの話によると、定期的にエステや美容外科に通っているというが、雑誌やテレビにも多数出演していて、世間から美人霊能師と騒がれているのだから、そのくらいはもちろん不思議ではない。  ちなみに、彼女の名前と年齢がわかってしまったのは霊視したからではかなく、ソファの前に置かれたテーブルに放置されていた、薬袋と保険証が目に入ったからだ。  飲み終えた薬のPTPシートを見ると、眠剤と抗うつ剤、胃薬。その他、何の効果かわからない薬が散乱している。
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