第5章 潜入 悪霊の巣窟へ

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 無理もない。  相談会で見た輝耶の状態はひどいものだった。  あれだけの霊を身体にまとわりつかせていたら、ろくに眠れないだろうし、気分の浮き沈みも激しくなる。体調が悪くなるのもあたりまえだ。  身の回りで様々な心霊現象が起きているだろうが、本人に霊感がないのが今のところは幸いしている。  すべて取り憑いている霊のせいだとは言いきれなくても、その可能性もまったくないわけではない。  あんなことを続けていたら、いつか倒れてしまう。  最悪の場合、命を落とすことに。  指定された時間にビルを訪れた冬弥は、輝耶の付き人とおぼしき女性に案内され、ワンフロアを借り切った最奥部の部屋に通された。
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