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『汚い部屋だな』
開口一番、孤月は嫌そうに声をもらした。
冬弥はざっと部屋を見渡す。
きちんと片付けられないのか、物があふれ雑然としている。それだけで悪い気が部屋中に漂っている。
どうやら、ここが輝耶専用の部屋のようだ。もっとも、本宅は別にマンションがあるらしく、気分と用途にわけ交互に使用しているらしい。
ソファに腰をかけ冬弥は輝耶が現れるのを待った。
待つこと五分。
廊下の向こうからヒールを鳴らす音が聞こえてきた。
いよいよだ。
そもそも人目のある場所ではなく、輝耶自身のプライベートな部屋に呼ばれたことじたいどういう意図なのか。
冬弥はごくりと喉を鳴らす。
これも舘ノ内さんから聞いた話だが、輝耶は気に入った若い男たちを側にはべらせ、それから……。
そんな話を聞いてしまった後だから、よけい意識してしまっているのかもしれない。
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