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『輝耶の魔の手を交わすことができるのか? 成海慧子の誘いですらきちんと断れなかったではないか?』
『あれは、じっと僕のことを見ている吉田さんのことが気になったからだよ』
『ああ……冬弥があの女にあんなことや、こんなことをされてしまうとは』
『孤月、お願いだから変なこと考えるのはやめて』
『きっと、嫌がる冬弥を縛りつけ、無理矢理押し倒して』
『僕、そういう趣味ないから』
『冬弥になくてもあの女にあるかもしれないではないかっ! いや、あるいは気分がおかしくなる薬を飲ま………』
孤月ははっとなってテーブルの上に散乱している薬類に視線を向ける。
『もしや、おかしな気分になるという薬がこれ?』
『違うよ』
『何故そう冷静でいられるのだ!』
『冷静じゃないよ。これでもかなり緊張……してたけど、孤月のおかげで気持ちに余裕ができたよ』
『そうか?』
足音が扉の前で止まった。
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