第5章 潜入 悪霊の巣窟へ

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 輝耶はにこりと笑った。 「顔をあげてちょうだい。そんなことは気にしなくていいのよ」  先日の相談会ではおかしなことをみなの前で発言していたが、こうして話をしてみると、意外にも優しそうで人当たりもよく、気さくな印象に思われる。  あくまで第一印象ではだが。 「それよりも、あなた」 「はい」 「もしかして、普通の人にはない力を持っているのかしら?」  さっそく核心を突いてきた輝耶に、冬弥はきたかと身構える。 「……少しですが」  横で孤月が吹き出してしまった。 『少しって……冬弥、だから謙遜もいいところだぞ』  少しどころかその気になって霊視をすれば、すべて視えてしまう冬弥だ。
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