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「そう。時々は実家に連絡してる?」
「はい。思いついた時には電話をするようにしています」
「あなた一人っ子よね。ご両親もとても寂しがっているかもしれないものね」
おそらく、輝耶の頭の中では親元から離れて暮らす世間知らずの大学生と思っているのだろう。
冬弥は内心、苦笑いを浮かべる。
確かに記入用紙には兄弟はなしと書いたが、血の繋がらない兄妹はいる。
地方の名家である冬弥の実家は、他人が思っている以上に内情は複雑で混沌としているのだ。
そこではて、と冬弥は首を傾げる。
霊能師という業界のことを調べれば、あの有名霊能師である緋鷹龍月の唯一の弟子が稜ヶ院冬弥だとすぐにわかるはずだが、そこまで調べはしなかったのだろうか。
まあ、知らないのならそれはそれでありがたいことなのだが。
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