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連れ帰ったあとはどうするのか。
想像するのも恐ろしい。
冬弥はぶるっと肩を震わせた。
あらかじめそういう話を聞かされていたから心構えはしていたが、まさか会ったその日にこうなるとは予想もしなかった。
『何なのだこの女。いきなり欲情しやがって!』
『この人、色情霊も憑いているからね』
『ならば、祓え! 全部祓ってしまえ! 残らず滅してしまえ!』
『うーん。いろんなものがたくさん憑いているから、すぐには無理』
「あなたは私の可愛い弟子だもの。いろいろ教えてあげるわ」
『うへ! 気色悪いぞ!』
輝耶が顔を近づけてくる。
ぽってりとした唇に、たっぷり塗られたグロスがてかてかと光っている。
つめ寄る輝耶から冬弥は距離をとる。
さらに輝耶が身を寄せ腕を伸ばしてきた。
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