第5章 潜入 悪霊の巣窟へ

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 孤月は身を起こし、両脚を投げ出すようにしてその場に座り込む。 「あの時、力を暴走させて冬弥に怪我をさせてしまった」  冬弥はああ、と言って自分の頬に手をあてた。  天井から落ちた蛍光灯の破片が飛び散り頬をかすめたのだ。だが、ほんの少し血が出た程度でどうってことはない。 「こんなの怪我っていうほどじゃないよ」 「だが、わたしは冬弥を傷つけてしまった。何があっても守らなければいけないのに」  孤月は目に浮かんだ涙を手の甲で拭う。 「冬弥に嫌われたと思った。もしかしたら、わたしのことなどもう側に置いておきたくないと」 「孤月……」 「役に立たないから、わたしのことなど必要ないって。だから消されてしまうかと思って……」  冬弥はそっと孤月の頭に手を置いた。
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