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「次の方、どうぞこちらの部屋に入ってください」
女性スタッフの案内の声とともに、面談室に入ってきたのは都内でOLをする二十代後半の女性であった。
「そちらの椅子におかけてください」
部屋に入るなり、その女性は輝耶の姿を見て、目を見開き頬を紅潮させる。
「ああ、輝耶様が目の前に……本物の輝耶様が……」
今、霊能師として人気を博す輝耶に霊視をしてもらおうと、数ヶ月待ちの予約を入れようやく、待ちに待ったこの日がやってきたのだ。
「坂之上由基美さんね。どうぞ座って」
「は、は、はい!」
緊張のあまりうわずった声をもらす坂之上由基美に、輝耶はくすりと笑って椅子に座るよう促す。
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