第6章 新たなカモ

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 おずおずと椅子に腰をかけた坂之上由基美は、憧れの輝耶を前に祈るように手を組み、目に感激の涙をためている。 「輝耶様に会えるなんて幸せです」 「ええ、こうしてお会いできたのも何かの縁でしょう」 『ふん。縁は縁でもそこの娘にとっては悪縁だな。この似非霊能師は客のことなど、単なる金ずるとしか思っていないのだから』  冬弥の側で孤月が悪態をつく。  今日の輝耶はすっきりと髪を束ね、ごく普通の真っ白なツーピースを着ている。  先日の相談会で見せた巫女さんふうの格好はしていないし、おかしなパフォーマンスも今日はやらないようだ。  冬弥はほっとする。  すぐ側であれをやられてしまっては、リアクションに困ってしまったであろう。  とりあえず、ありがたい。
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