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なんであんなことをしてしまったのだろうと今さら後悔しても遅い。
「僕は最低な男だね……」
しかし、孤月はいやと大きく首を横に振る。
「安心しろ。本当の最低男というのは、あのくそ野郎のような男のことをいうのだ。あいつならキスどころか絶対、家に持ち帰っていたぞ」
と、力強く孤月は言うが、なんの慰めにもならないところが落ち込む。
それにまた孤月が師匠のことをくそ野郎なんて言うけれど、今は注意する気持ちにもなれなかった。
「成海さん……」
「……冬弥?」
ハンドルにもたれその名を呟く冬弥を、孤月は首を傾げながらじっと見つめていた。
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