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「私、ほんとに恥ずかしいくらい泣いちゃった。それも、あんなところで大泣きして緋鷹先生に迷惑かけちゃったかも」
「それはないから安心していいと思うよ」
「ほんとかな?」
「迷惑だと思うなら最初から来ないと思うよ」
それに、慰めるためとはいえ、美咲を抱き寄せたりなどしない。
『そうそう。迷惑どころか、自分の家に連れて帰ろうとしたくらいだからな!』
と、孤月は顔を歪めながら言う。
「そうかな……」
美咲は頬を赤らめた。
「でも、だいぶすっきりしたみたいだね」
「はい」
「とにかく、師匠がああ言ったなら信じていいよ」
「もうこれ以上、私に悪いことは起きないっていうことですか?」
冬弥はうなずく。
それに、美咲のあごに手をかけたとき、師匠はさらに美咲の何かを読み取っていた様子だった。
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