6602人が本棚に入れています
本棚に追加
実家では、老いた両親を兄夫婦が面倒を見ている。だから、実家には帰ることもできない。
一人で生きていく覚悟もなく、結局夫に頼らなければ生きていけない。
だから、自分が我慢をすればいい。
耐えればいい。
そう自分に言い聞かせてきた。
それでも、まだ一人息子の京介が家にいるうちはよかった。けれど、息子も大人になり、就職が決まったと同時に家を出て行ってしまった。
孤独。
虚無。
寂しさが私の心をやがて少しずつ、そして確実に蝕んでいった。
そんなある日のこと、私の寂しさにつけこんできたのが近所の主婦であった。
今評判の輝耶というスピリチュアルカウンセラーの先生が相談会を開くから一度、視てもらうといいと言ってきたのだ。
そして、その主婦に誘われ連れられて来たのが〝輝耶心霊相談所〟だった。
最初のコメントを投稿しよう!