第11章 呪念の応報

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 霊など胡散臭いと思っていた私は、最初は輝耶のことを好ましく思っていなく、相談所に行くことすら気乗りしていなかった。  それどころか、輝耶のおかしな行動に嫌悪すら抱いた。  近所の人は心霊だとかまえず、ただのカウンセラーだと思えばいいと言ってしつこく誘ってきた。  最初は仕方なく、断り切れずに渋々と付き合っていったが、やがて輝耶との出会いが私と、私の息子京介を不幸の底へと突き落とすことになっていった。  輝耶は気鬱状態の私を頻繁に事務所に招き、親身になって話を聞いてくれ、私が欲しかった優しい言葉をかけてきてくれた。  そんな輝耶にしだいに私は心を許すようになり、信頼を寄せ輝耶を慕い、輝耶の言葉に疑いも持たず、従っていくようになった。そして、さらに私の運命を大きく変えてしまった出来事が起きた。  それは、夫の突然の死であった。
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