5.- ASURA -

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5.- ASURA -

「闇が蔓延り、命は輝きを失う。世界は選択を迫られる。」 「北に力。南に愛。西に光。東に知。その時に備えよ。」 アスラは日課の占いをした。今日もまた、いつもと同じ言葉と光景が浮かんだ。 昨日は、リヒトの出現に関するものだったが、特別何かある日でなければ、あの日からほぼ毎日この言葉が繰り返される。特別にないということは、やはり昨日のリヒトが光であるのだろう。 もし別に光がいるとしたら、その者への接触のメッセージがでるはずであろうから。 水晶の光が消え今日の占いも終わろうとした途端、再び水晶に光が灯り、リヒトの光景が浮かんだ。 どうやら家の隣にいるらしい。木を手に岩に座っていると、いきなり岩がなくなり、そして木が斧へと変わった。そこで水晶は光を失い沈黙をした。 アスラは、そのまま外へ出てリヒトの所へ向かう。 リヒトの所へ行くとリヒトは困惑している様だった。そして、手には先程見掛けたものはなくなり、木の棒だけを握りしめていた。 「どうかしたのか。」 リヒトは簡単に説明をした。急に斧ができたことそれが一番リヒトの中で分からなかった。 「うむ。いくつか可能性は思いつくが、ひとまず、ギルドに向かうとするか。ギルドで、だされる身分証には、技能やスキルなども記載されるから、もしかしたら、それをみたら分かるかもしれぬ。」 リヒトが同意をすると、アスラはさっと手をつなぎ、転移を始めた。
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