5.- ASURA -

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目を開くと、近代的な雰囲気の街が目の前にあった。 建物は青と白で統一され、石畳も白い石灰で固められていた。 とても美しい街並みにリヒトは言葉を失った。 「ここは、ミコトスの街じゃ。ここには、この地の領主も住んでおる。ここの領主は代々芸術を愛する者たちでの。家や建物を造る際も似たような外観じゃないと許可がでないらしい。なにより、この近くの海から、この青と白の建物の材料を豊富に採取できるから似たような建物ばかりが立ちならんでいるのじゃ。」 アスラは、門番に近寄ると、身分証を提示した。 「東の魔女のアスラじゃ。このものは、新しく来たので身分証がない。身分証を作りたいので、ギルドまで行きたい。」 門番は敬礼をすると 「アスラ様、ご提示ありがとうございます。そちらのお方は、仮の身分証を発行いたします。ギルドにて身分証と引き換えてください。なお、仮の身分証は本日のみ有効ですので、本日中の引き換えをお願いいたします。」 「うむ。承知した。」 リヒトはおとなしく後ろをついてあるいているが、いろいろと物珍しいらしく、視線があちらこちらへと忙しく動いていた。昨日のライラのまちとは違い、ミコトスの街は人も建物もとても多く賑わいがある。ギルドで用事を済ませたら、街を見て回ろうと、アスラは予定を決めた。 しばらく歩くと目の前に大きな建物が見えた。それもやはり白と青で出来てはいたが、他の建物とは比べ物にならないくらい大きく、また、出入りする人の数も多かった。 アスラはリヒトがはぐれていないのを確認し中に入った。
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