5.- ASURA -

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リヒトが頼むと、ミラは椅子に座るように示して話をし始めた。 「それではご説明させていただきます。この身分証は、リヒト様の魔力によって登録をいたしております。これは、偽装出来ない仕組みになっており、身分証が必要な時に別の人間が提示するとそれが表示されることになりますのでご注意ください。 また身分証は登録したギルドにて管理されており、リヒト様の活動により、内容が変わっていきます。沢山魔物を倒せばその情報が身分証へと記憶され、ギルドで更新手続きをとることでランクアップをすることもできます。ランクアップをすればより高度な依頼・報酬を受けることもできます。これは、経験の低い冒険者が高度な依頼を受けて、けがや死亡につながらないための措置であります。 そして、万が一、罪を犯した場合もギルドにて犯罪歴を記入します。そして、他国に入国される際には、入国の提示時にその表示が出る仕組みとなっておりますのでご注意ください。 他には、お金の預け入れ等もすることが可能です。現金を持ち歩くのが困るような場合、ギルドにあずけてくだされば、普段持ち歩く必要がなく、必要な時にギルドにてお預かりしているお金をお渡しすることができます。 簡単にご説明しましたが、わかりましたでしょうか。」 「大丈夫です。」 「この者のスキルについて知りたいのじゃが。」 「名前の下に表示されるのが、リヒト様のスキルでございます。そちらの表記はなんとなっておりますか?」 リヒトは困ったような顔でアスラにカードを向けた。話すことができていたので、疑問に感じなかったのだが、もしかしたら文字は読めないのかもしれない。 アスラはカードを見てとても驚いた。 「煌属性・クリエイト・転生者」 アスラが呟くように読み上げると、ミラも驚くように目を見開いた。 リヒトだけは分けが分からぬように二人の様子を見て、困惑しているようであった。
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