6.- LICHT -

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6.- LICHT -

「煌属性・クリエイト・転生者っていうのは?」 アスラに疑問を向けると、アスラは少し思い悩んでいるようであった。 「煌属性というのは、とても珍しい属性なのじゃ。光の高位属性であることには違いないのじゃが、 光属性を極めし者が煌属性になるという。お主は、光属性がないにもかかわらず、煌属性をもっておる。それがどういうことなのか、詳しいことは調べてみぬことには、わからぬ。」 「アスラ様のいわれるように、煌属性を持つものは、ギルドの記録に数人おります。ですが、逆を返せば膨大なギルド登録のなかでも数名しかいないのです。そして、その者たちはみな、光属性に特化しているものばかりです。」 これは調べてみる必要がありそうじゃ。とアスラの呟く声が聞こえた。 「クリエイト、これはきっと先ほどの、物質を変える能力のことであろう。ミラ殿、クリエイトという能力をギルドの登録で確認されたことは?」 「私が知る限りではございません。初めて耳にしたスキルでございます。ですが、王族には王族のスキルが、また、ギルドカードを必要としない種族などは異なるスキルを持つ者もおりますので、一概には言えないかと。また、珍しいスキルを持つ者は、ギルド守秘により、取得したギルドである程度の隠蔽がなされる場合があります。その場合、ギルドでの情報としては残りますが、ギルド守秘として扱われ、わからない場合がございます。」 「ほう。ギルドカードの情報は隠匿ができるのか。」 アスラは興味深そうにしている。 「はい。専門的な話になるのですが、ギルドカードにはいろんな機能が組み込まれており、討伐数や、犯罪歴など身分証としてだれでも知りえる情報、どのギルドでも同じように確認できる情報、登録・更新したギルドでしか知りえない情報など、いくつもの情報を同時に取得しております。ですが、その情報が心無い人にながれてしまっては、そのカードをもつ者の存在が危ぶまれることもあります。ですからそのカードの登録者を守るという観念から、ギルド守秘と呼ばれ、情報の程度により、ギルドで情報の隠匿がなされるのです。 ですので、クリエイトと呼ばれるスキルも、もしかしたら登録されているかもしれません。」 クリエイト、創造する。確かに、言われてみると、先ほどの斧はそのスキルのように感じられる。 ただ、その作り方には、しばらくいろんな検証が必要であろうが。
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