6.- LICHT -

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「ご不快にさせたのならば、申し訳ございません。ですが、これは、リヒト様を守るという観念からも、必要な事であるのです。過去に転生者の行方が分からず、惨殺されるという痛ましい出来事がおこりました。転生者はその知識ゆえに、私利私欲にかられたものから狙われやすいのです。もちろん、ギルドとしては、情報を隠蔽し、リヒト様の情報を知りえるのは、登録をされた当ギルド長である私と、私が信頼するごく一部の者だけとし、情報が漏れないように最大の注意を払います。 転生者のスキルを持つ者の情報は、ギルド守秘特級となり、ほかの街のギルド長であっても、登録したギルド長である私の許可がないと情報を得ることができないように制限をされます。それゆえに、登録した当ギルドへ定期的にお越しいただきたいのです。」 ミラは、とても申し訳なさそうにしていたが、言葉をつなぐ。 「ですが、転生者の称号がつく方に関しては、ギルドへの協力をお願いすることもあり、様々な特典も得られます。一般の方では得られない最低限の生活の保障や、ギルドを利用する際の特別待遇、また、外部からの得た知識を教えていただいた場合には対価への上乗せ、見た目はかわりませんが、ギルドカードが特殊なものに変更されます。それにより、一定期間以上ギルドにお越しにならない場合、誘拐や犯罪に巻き込まれた可能性があるとして、ご依頼があればギルドカードを元に行方を捜索することができるのです。」 「やはり、監視をするということではないか。監視をし、害がなければよし。利があればそれを搾取し、その知識を得るために、必要な餌をまく。行方を捜索することまでできるとあれば、転生者の自由などないではないか。」 アスラは憤慨し言葉を吐き捨てた。
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