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そして、今日、ようやく、西の手掛かりを手に入れることができたのだ。
言葉と共に浮かび上がった景色。アスラは迷いもなく、その場所へと向かった。
ピアンツァの平原。水晶に映し出されていたのはこの場所であった。西に向かって箒で飛んでいると、目を開けられないくらいの閃光が走った。数秒、いや、数分であっただろうか。時間の感覚もわからぬまま目を閉じていたが、瞼の上から光が去るのを感じ、目を開いた。すると、見たこともない装いの少年がいたのだ。
「ここ、どこ。」
言葉が通じることにとても安心をした。
「ここは、ピアンツァの草原じゃよ。」
「あなたは?」
「わしは、アスラ・フォレスタ。箱庭の魔女と呼ばれておる。」
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