日常へ

1/3
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ

日常へ

今日はいい天気だ。最近は雨が降っていたせいで、全く気持ちが上がらなかった。それと、最近撮った女の子がクソも良くなかったからだろうか。 いや、「ここが屋上であること」のせいかもしれない。 このような生活になったのは、二年前からだ。前に住んでいたマンションを引っ越そうとして、面倒臭くて、面倒臭くてやめた。 唐突に「糸」が切れたのだ。学生の時に真面目にやってきた人間関係の網も、目上の人に対してゴマをするのも、一瞬であった。 一時期は山に閉じ籠ろうと思ったが、熊に間違われて撃たれたくなかった。そして草が不味い。肥えた舌は切り落とした方が良さそうだが、出来る訳がない(まだ、死にたくはないのだ)。 その結果がこれだろうか。屋上に入り浸っている。そして、ここが友人の管理するマンションである。彼が金持ちのボンボンで良かった。 彼は私が嫌だった学生時代の人間関係で出来た友人である。彼は親のコネで映画関係の仕事に就いて、好きな画 を好きなだけ撮って、やめたければやめて、酒と肉をエサにしているだけの人間だ。貧乏であった私は金持ちを羨むのではなく、嫌った。誰でもそうだろう。 ただ、バカは人の気持ちを気付かない(気付けない)。俺が嫌味を言ったり、罵っても、全く変化がなかった。だから、良かった。何の弊害もないから。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!