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あの日、君は笑ったんだ。
助けてって、生きたいって心の中で叫びながら。
泣きたいはずなのに、僕たちのために。
最期まで、笑顔で人のことばかり考えていた君は、あの日、本当に太陽になってしまった。
試合に勝った僕たちの傍で、僕たちよりも喜ぶ君。
君の笑顔は僕たちにとって“最高のご褒美”だった。
君の笑顔は全てを照らす太陽で、全てを暖かくする日だまりで、そんな君が居ない世界なんて考えられなかった。考えたこともなかった。
でも、神様は全てに対して平等という、残酷をもっていて。世界中全ての人に、死は平等に与えられる。そんなことは、分かっていた。
分かっていたはずなのに、何でだろう。
他の人ならよかったのに、神様は不平等だ、なんてそんな事を考えてしまうんだ。
君は、最期まで泣かなかった。僕たちの前では、ずっといつもの笑顔で、笑ってくれていた。君ともっと、もっと、ずっと一緒に笑っていたかった。
あの日君は、僕たちの心に、抜けない棘を残していった。
笑顔は、残酷だ。そして、最上級の愛だ。
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