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その部分について尋ねられた松岡は、困ったような申し訳無さそうな顔になる。
「それなぁ……」
「…………」
「………………」
「……………………?」
「……あぁっ!説明が難しい!」
「…………え?」
バッテリーが切れたかのように止まっていたかと思えば、頭を抱えて悶え始めた松岡。
あぁ……そういえば中卒…………などと、英太がふっと失礼な事を考え始めた時、溜め息を吐きながら鈴が口を挟んできた。
「……本当、渉はお馬鹿でありんすねぇ。きっと脳みその大きさが犬並みなんでしょうねぇ。流石は中卒でありんす」
犬にも大概失礼だが、渉には更に失礼な鈴。
そう言う鈴の脳みその大きさは猫と同じなのか、それとも人間と同じなのかと英太は考えたが、これまでの様子を見る限り人間に近いのかと思う。
それはさておき、英太が心の内で思ってても口にするのは憚られた松岡の最終学歴を鈴はずけずけと言い放った。
さすがに驚いた英太は、松岡の精神的なフォローに入る。
「り、鈴さん、それはちょっと……頭の回転の悪さや口の下手さと学歴は関係無いかと…………」
「…………ごめん、英太。それ、あんまりフォローになってない。むしろ酷い……」
「英太、良いねぇ、あんた!」
フォローしたつもりが却って松岡を凹ませる形になってしまった英太。
そして落ち込む松岡の姿を見て、鈴は腹を抱えて大笑いしていた。
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