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「僕は家の手伝いが増えたくらいだよ。怒られたけど。すっごく心配したんだから! って怒られたけど、たくさん手伝いするようにって言われたくらい」
「俺もそんなもんだな。ぐちぐち言われて面倒くせえけど、そこまで引きずんねえし。心配したっつー親戚連中全員に電話かけさせられたのは辟易したけどな」
その時のことを思い出したのか、仁羽の苛立ちゲージが明らかに上昇していく。何というか、仁羽の親戚ってきっと仁羽とは相性悪いんだろうな……悪気はなくても。
「うちも別に……泣いて怒られたけど……それだけだし……。妹がくっついて回るのと、親が面倒になったくらい……。そんなにはっきりした罰ってないよ……?」
首を傾げて遠山は言うし、仁羽も成島も同意しているので、どうやら三人からすれば俺の処遇は結構不思議らしい。
俺にとっては当然のことだったから何とも思ってなかったけど、改めて言われると新しい発見でもしたような気になる。そうか、別にこれが普通のことってわけじゃないんだな、と思って。
「それじゃあ、今日は園田が外に出ても良くなったってお祝いもしなくっちゃね!」
いいことを思いついた、という顔をした成島が突然言った。いつの間にか取り出したメノウ様を手に持ち、「ねぇ、メノウ様もいい考えだって言ってるよ」と続ける。
「スイカももらえるし、スイカパーティーがいいよね」
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