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「……寂しくなかったよ」
ゆっくりと成島に返した言葉は嘘じゃないし、全くの本心だ。だけど、最初に思ったこととはわずかに意味が違っている。
「成島が心配してくれたし。遠山は一緒に来てくれたし。仁羽はスイカくれるって言うし」
今ここで、あの夜につながる人たちが、昼間の太陽の下で、あの時と同じように名前を呼んで、笑っていてくれるなら。
同じ道を歩いて、同じ場所を目指していられるなら。
もしかしたらあの時感じていたかもしれない寂しさとか、そういうものは全部、消してしまえる気がするんだ。
心の中に溜まっていたものとか、よどんでいたものとか、そういうものはきれいになくなってしまう気がするんだ。
こんな言葉でいいのか、答えとして合っているかはわからないけど、本当にそう思う。
成島は俺の答えに「そっかー」とうなずいて、「それならよかった!」とメノウ様に報告している。
深く理由を問うこともなく、何かの根拠を求めるのでもなく、当たり前のように受け取って、前から知ってたみたいな顔で納得してくれている。
「じゃあ、やっぱりお祝いしないとね!」
「……何の?」
「園田が寂しくなくてよかったねってお祝い」
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