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メノウ様もそう言ってるよ、と言う成島に向けて、仁羽は「別にあいつが作ったわけじゃねえよ」と答えてるけど、あんまり意味はないみたいだった。
成島はメノウ様を握りしめて「スイカパーティーの大事な主役だもん! 早く迎えに行かなくちゃ!」と決意を固めている。
何か、これから成島が何をするかわかる気がするなーと思っていたら、遠山がつぶやいた。
「……嫌な予感がするんだけど……」
「ああ、遠山も? 俺も何となくそんな感じが」
ははは、と乾いた笑みで答えると、眉をしかめた仁羽が「仰木公園まで距離が近いのだけが救いだな」と独り言みたいに言っているので、仁羽も大体わかっているんだろう。これから成島が何をするかってことは大体。
「それじゃあ、走って行かなくちゃ!」
案の定、やる気に満ち溢れた成島が、メノウ様を握りしめて走り出すので。こうなったらどうすればいいかなんて、答えは一つしかない。
「成島お前、俺の親戚がどいつかなんてわかんねえだろうが!」
「スイカ持ってそうな人でしょ、大丈夫ー!」
全然大丈夫じゃない答えを残して、成島が走って行く。仁羽は一つ舌打ちをしたあと、「いいか園田、遠山を意地でも引きずって来い。絶対にだ」ときっぱり言って追いかけていった。
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