とある滅びゆく国の小学生

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 わたしたちのはんは、そんなビルのひとつを、今日のきょてんにすることにしました。というよりよくよくしらべてみたら、おとといわたしたちがとっさににげこんだビルと同じでした。おとといにわたしたちが食べた、ひじょうしょくのゴミがおちていたからです。けど、そのときは、まだ三かいから上もあったので、まったく分かりませんでした。今日のせんとうは、たいへんそうだなと思いました。  わたしたちは前の日にねぶくろを広げたところに、今日もってきたぶきを広げました。わたしが手にとったのは、少し小さなじゅうでした。グロック19だと、きょうかんがあとで教えてくれました。にぎったときに、いままでつかったことのあるほかのじゅうより、つかいやすそうだと思いました。「今日は何人ころせるんだろう」と、とてもわくわくしました。  すぐに、今日のこうどうがはじまりました。なぜなら、すこしはなれたとことから、バーンとかドーンとか、そういう音が聞こえたからです。 「よし、いくぞ!」  きょうかんがいいました。 「「おー!!」」  わたしたちはみんなで、こぶしをあげました。  まずきょうかんが先にうごき、そのあとからあきちゃん、まいちゃん、あきとくん、ゆうとくん、そしてわたしとつづきます。  しばらくいくと、こうさてんでせんとうが、もうはじまっていました。わたしたちとはべつのチームが、じゅんびにはいる前にこうげきされてしまったようでした。まだみんな、いどう用のカバンをせおっていたのです。しかし、そのチームのどこを見ても、きょうかんらしきひとのすがたは見えませんでした。     
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