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まわりを見回すと、ほかのチームメイトも、てきをうまくころせたみたいでした。きょうかんが、もう一つのチームのメンバーと話していました。わたしも走って、きょうかんののもとにかけつけました。
「そうか、分かった……」
きょうかんはうつむきながらそう言いました。とてもかなしそうでした。
「なあ、おまえたち」
きょうかんがふり向きながら、わたしに言いました。さっきまでのかなしそうな顔は、もうしていませんでした。きょうかんはきりかえが早い人なのです。
「このチームのキャプテンがやられちまったらしいんだ。これから一緒に行動するが、いいよな?」
「うん」
わたしはうなづきました。なかまがこまっていたら、おたがいにたすけ合う。これは、きょうかんが教えてくれた、大切なことですから。
「みんなもいいよな?」
「「うん」」
すこし下がって見ていたみんなも、うなづきました。
「よし、じゃあ人数もふえたし、いったんきょてんに帰ろうか」
そう言ってきょうかんは走りだしました。大きななしゅうげきにあったときは、いったんきょてんに帰って、たいせいをととのえる。これも、きょうかんが教えてくれたことです。わたしたちは走ってきょうかんについていきました。
きょてんに帰ると、わたしたちがのこしてきたものはそのままありました。まだこっちまで、てきはきていないようでした。
「じゃあ、じょうきょうをせいりしよう」
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