とある滅びゆく国の小学生

5/10
前へ
/10ページ
次へ
 そういってきょうかんは地図を広げました。わたしたちがいまいるまちの地図です。 「まほ、どういうことがあったのか、もういちどくわしく話してくれるかな」  新しくくわわったなかまの一人のまほちゃんに、きょうかんがいいました。こくりとうなづいたまほちゃんは、地図をゆびさしながらせつめいを始めました。 「てきはわたしたちがきょてんにするよていだったこのビルに、すでにいました。わたしたちが今日、このまちにきょてんをおくことは知られていたみたいで、やつらはすぐにわたしたちをおそってきました」  まほちゃんはそこでのばした手をだらんとさせました。 「とちゅうで、きょうかんがおとりになってくれて、どうにかあそこまでこれたのですが、さっきのせんとうで二人やられてしまいました。そこを、あなたがたにたすけてもらったのです」 「じゃあ、ないぶにスパイがいるかのうせいがあるな。よし、あとでほうこくしておく」  そしてきょうかんが顔をあげてつづけます。 「それより今は、このまちからでることを、考えたほうがいい。もうここが見るかるのも、時間のもんだいだろう」  きょうかんはそう言って、立ちあがりました。     
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加