とある滅びゆく国の小学生

6/10
前へ
/10ページ
次へ
「これよりわれわれは、このまちからのだっしゅつをこころみる。おまえら、おれについてこい。そして、ぜんいん生きて帰るぞ!」 「「はい!!」」  わたしたちは強くうなづきました。  わたしたちはビルを出て、くるときに通った道を、ひきかえしはじめました。でも、そのとちゅうで待ちかまえていたてきに、出くわしてしまいました。 「走れ!」  きょうかんは私たちに向かってさけびました。わたしたちはひっしに走りました。  何人かのてきが、目の前からつっこんできました。きょうかんとあきちゃんが、そいつらにこうげきをします。すると、てきもこちらをこうげきしてきました。わたしはがれきのかげにとびこみました。ほかの人たちも同じことをしました。いえ、したはずでした。  かげからてきのほうを見ると、てきがじめんに向かって何発もたまをうってうました。そして、その下にはあきちゃんがたおれていました。 「あきちゃん!」  わたしは思わず声を出してしまいました。かくれているときは、絶対に声を出さないようにしなさいと、きょうかんに言われているのもわすれてしまっていました。  こちらに気づいたてきがこちらにじゅうこうを向けました。しかし、その後ろからかくれていたきょうかんが、てきの頭をうちぬいてくれたので、わたしはたすかりました。     
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加