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きょうかんは泣きながらわたしに言いました。わたしも、きょうかんといっしょにたくさん泣きました。
その後、きょうかんはほんぶにほうこくしてくるといって、歩いて行きました。わたしたちは、歩いて自分たちのへやに帰りました。
いまこの日記は、だれもいない、一人のへやで書いています。きのうまでは、日記はあきちゃんと一緒に書いていたので、とてもさびしいです。
これで、わたしたちのきちにいる同い年の子は、いなくなってしまいました。わたしは、いなくなっちゃったそんなひとたちの分までがんばって、てきをぶっころしてやろうと思っています。あしたからも、がんばりたいと思います。
◇ ◇ ◇
「森田、入ります」
「おう、入れ」
鉄でできた重い扉を俺は開けた。やすい作りの机とイス、そして二組の棚があるだけだ。電気が通っていないので、窓から入ってくるのは沈みかけの太陽だけだ。
「今日、第一部隊の田端指令がなくなり、我々の部隊をふくめ三名の子どもが亡くなりました」
「……そうか」
「あと、もしかしたらスパイがいる可能性があります。田端指令は待ち受けを受けていたのかもしれません」
山中総司令は窓の外を向いたまま静かに答える。その背中は、どこか寂しげにも見える。
「あの、総司令……、ひとつ、聞いてもよろしいでしょうか」
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