そして日常は続くのだ

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いや、怪しいよね。こんな真夜中にエロ本捨ててる女なんて! 性別すらもが疑わしいよね! 「す、すみません、驚いちゃって……」 私は愛想笑いをしながらカニ歩きでその場を去ろうとする。するとおっさんはのっそりした声で言った。 「おじょぉさん、こんな夜中に一人で歩いちゃぁ、危ないよ」 「あ、ありがとうございます! もう、帰りますので……」 おっさんは私に向かって爆弾を投げる。 「……これ、おじょうさんが読んだの?」 私はダッシュでアパートに戻る。 いやぁぁぁぁ! 見られたぁぁぁぁ! 変態と思われたぁぁぁぁ! その夜、私はベッドの中でおいおいと泣き腫らした。
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