お手紙

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お手紙

賢太郎へ 賢太郎、お手紙ありがとう。 けんたろう、おてがみありがとう。 あんな上手なお手紙を書けるなんて、 あんなじょうずなおてがみをかけるなんて、 おじいちゃん、ビックリしました。 おじいちゃん、びっくりしました。 賢太郎、おじいちゃんも謝らなくてはいけません。 けんたろう、おじいちゃんもあやまらなくてはいけません。 実は、おじいちゃんも嘘をついていました。 じつは、おじいちゃんもうそをついていました。 あの似顔絵、 あのにがおえ、 おじいちゃんではないんじゃないかな? おじいちゃんではないんじゃないかな? と思っていました。 とおもっていました。 おじいちゃんは、 おじいちゃんは、 いつも兵隊さんの帽子を被っているよね。 いつも へいたいさんのぼうしを かぶっているよね。 それに、おじいちゃんには皺はひとつもないぞ! それに、おじいちゃんには しわは ひとつもないぞ! でも、賢太郎が嬉しそうに でも、けんたろうがうれしそうに おじいちゃんだよと渡してくれたから おじいちゃんだよとわたしてくれたから 黙って受け取りました。 だまってうけとりました。 もう賢太郎もおじいちゃんも嘘は無しだ。 もうけんたろうも おじいちゃんも うそはなしだ。 おじいちゃんの似顔絵、楽しみにしてるぞ。 おじいちゃんのにがおえ、たのしみにしてるぞ。 いつもと同じように、仏壇の右側に置いてくれ。 いつもとおなじように、ぶつだんのみぎがわにおいてくれ。 (お箸を持つ手の方だぞ。) (おはしをもつてのほうだぞ。) おじいちゃんは、いつでも、 おじいちゃんは、いつでも、 賢太郎を見守っているからな。 けんたろうをみまもっているからな。 天国のおじいちゃんより てんごくのおじいちゃんより
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