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「ひ、ヒヒ、はハハ」
廻る滅亡の中で悪霊が嗤う。
「この魔力、コフィンズ。まだ立テルのか……頑張ルじゃあないか。ヒひヒはハ」
今マーロウは膨大な魔導からなる無数の腕を操り、協会中に隠れている人間の魂を貪っている。
滅ぼし、そして吸生。
マーロウ、ジージル・バーナ、そして神の力が完全に融合された故の、まさに災害。
しかしながらその何本の腕を操っているのは、ただ一人のマーロウ。やはり反撃に合うとそれを捌くのは難しい。
そこへあの魔力。
立ち直るとは思わなかった。
ハスダソウスケの魂を喰らい悟った。これこそが忌まわしきコフィンズ、それを引き継ぐ死神キルコの最大の弱点なのだと。
だからこそハスダの魂を滅ぼした瞬間、あの死神も共に死んだと思った。
なのに。今、マーロウの腕はコフィンズの魔力によって断ち切られた。
「ひヒ、恐ロシい、苛ツクね」
いくつもの箇所へ散らばせていた魔導の腕。それらを一箇所へ。
「リジィと古藤ノ前ニちょっかいを出ソウか」
操作する意識を一つにまとめる。これで反撃にも対応しやすくなる。何より、
「コォォフィンズ、もう一度心ヲ折ッテやろう」
キルコ・コフィンズという脅威を確実に潰すことができる。
コフィンズの血筋を絶やさなければ、魂の片隅に居座る不快感も無くならない。
のべ百本近い腕の群れが黒い死神の元へその身を伸ばす。
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