告白

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夫が亡くなる前に話があるという。ついに来たか。この瞬間が、と思いながら、夫のそばに行く。痩せてしまった胸に肋骨が浮き出ている。おもわず目を背けた。 あー、あのなあ なあに、あなた あれ、あれだよ、あれ どのあれ パスワード、教える だから、なんの ネット銀行。あれがないと開かない そんなの、聞いたことないわよ! ちょっとあなた! 私に揺さぶられながら、夫は10桁の数字をつぶやき、旅立ってしまった。
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