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自分の頭に浮かんでしまった、言葉を取り消すように頭を振った。
壮太には突然頭を振った事を心配されたけど、適当にごまかして、その後も、つらいという胸の内を無視して、里香ちゃんの話を壮太から聞いていた。
◆◆◆
ほどなくして、壮太と里香ちゃんは付き合いだした。
少し、ワイルド系な髪型と、着崩した制服でイメージががらっと変わった壮太に、そう報告された。
壮太の見た目が、ガラッと変わる事について、学校の皆はまあ、そんなもんかと普通にスルーしている。
クラスメイト曰く、イケメン無罪らしい。
まあ、壮太はどんな格好をしてもかっこいいとは僕も思う。
あんな、恰好良い人に落ちない人はいないんじゃないかとさえ僕は思っている。
二人が、寄り添って過ごしているところを見て、ズキリと胸が痛むけれど、仕方がない。
僕は、平凡で、いいところなんて何もなくて、そもそも、男で、幼馴染以上の関係を望むなんて身分不相応だ。
それに……。
◆◆◆
今回も、おおよそ1ヶ月半。長く続いた方かもしれない。
壮太と里香ちゃんが別れた。
付き合うまでは、あれだけ、デレデレしていた壮太は、付き合い始めると「何かが違う」となって、すぐ別れてしまう。
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