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彼女がいる最中、中々会えなかったけど、別れた今、壮太に呼ばれて、壮太の家でだらだらとゲームをしている。
別れた後も、さっぱりしたもので、まるでそんな人知りませんという雰囲気で、泣くどころか愚痴一つこぼさない。
もし、億が一付き合える事になっても、すぐ別れがやってきて、無かったものにされる事に僕はきっと耐えられない。
でも、そうなる事を知っていても、壮太に惹かれて、もしかしたら自分だけは違うんじゃないかと思ってしまう彼女達の気持も理解できるんだ。
飽きてきたのか、コントローラーを置いて、壮太が口を開いた。
「なー、裕には好きな人とか居ないのか?」
突然、思いもしない事を言われ、つい赤面してしまった。
自分の失態に気が付いた時には、壮太に質問攻めにあっていた。
「その反応は、居るって事だね。水臭いなあ。言ってくれればいいのに。……で、その相手って誰なの?」
言えるわけがないだろう!!
そう怒鳴りつけてやりたかったが、できるはずもなく、首を左右に振る。
「何それ。俺には言えないって事?」
機嫌がだんだん悪くなっていく壮太に慌ててしまうが、言えないものは言えない。
イラついた様に壮太に肩を掴まれ
「誰だか言えって言ってんだろ!!」
と怒鳴られる。
こんな、壮太は初めてで、涙があふれてしまった。
それを見た壮太は
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