そんなところが好き

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そんなところが好き

※大学生同士 ―そんなところが好き― コンビニのバイトに行くと、大学の先輩兼、バイトの同僚もちょうど来た所だった。 髪の毛を金髪に染め、ごつめの指輪を着け、スラリとした足にフィットするような細身のパンツにライダースジャケットを着ていて、所謂、ロックやパンク等と呼ばれる格好をしている男、正木さんは手を上げながら挨拶をした。 俺は、もういい加減驚くことも無く 「また、新しい彼女っすかー?」 と聞いた。 2週間ほど前までは、モード系と言われるファッションに、ブラウンに染めた髪をしていたはずだ。 元々、整った顔立ちと程よく筋肉が付いたスラリとした体をしている正木さんは、何を着ても似合うのだが、それが数カ月単位、早ければ数週間でがらりと系統が変わる。 正木さんは、付き合う恋人の好みに合わせて、ファッションから何から何まで変えているようだ。 その涙ぐましい努力とは裏腹に、正木さんはすぐに振られる。 振るのではない。振られてしまうのだ。 整った顔立ちもあってか、恋人ができるまでは早い。 その恋人関係が持続しているところを少なくとも俺は見たことが無い。     
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