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「あー、ついに負けちゃった…やっぱり、あっ君は男なんだね!」
夏希との100メートル競争で初めて勝てた。いつもギリギリのところで負けていたのだが、今回は余裕でゴールした。悔しがる夏希を見たとき、女性らしい身体になっていたことに気づいた。ドキッとした。
「勉強ではまだ負けないよ、あっ君!」
ニコッと笑った夏希の汗ばんだ顔が、僕の心を掴んだ。急にドキドキと鼓動が高鳴る。夏希って、こんなに可愛い顔だったっけ…
そう思い始めたら、夏希から目が離せなくなっていた。
「近場の高校に行こうと思ってるんだ。あっ君のお姉さんもここの高校だよね?生徒会長をしてたお姉さんがカッコよくて本当に憧れる。」
また同じクラスになった中学校3年生の春、夏希と同じ高校を目指していることがわかり嬉しかった。姉から高校の情報を聞き出し、夏希と共有した。お互いの成績だと、楽勝で合格できるラインだった。
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