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「それでね、聞いてくださいよ、先輩! もう、本当に真司の奴、ムカつくんですよ!!」
「まあ、まあ、アイツにだっていい分があったんだろう? 美香ちゃんを好きでほったらかしにしたわけじゃないし……」
「確かに、仕事が大変なのは知ってるんで、仕方ないんですけど……」
俺は大学時代からの後輩に入れたてのコーヒーを出す。
朝一で突然電話があり、11時前にやってきた大学時代の後輩である美香は、次から次へと思っていることを話し出そうとする。
自分の座っているところにもコーヒーを置くと、また、彼女は話し出した。
中々話は終わりそうになかったが、話すうちに彼女の怒りモードは落ち着いてきたようだ。
「俺に話してすっきりするのはいいけれど、結局の問題解決にはなってないんじゃないのか……」
「うーん、先輩、痛い所をついてきますね」
しょげさせてしまっているのが心苦しいが、時には厳しい意見も必要だろうと思い、口を開く。
「結局、なんでもかんでも真司に合わせて我慢しすぎてるから、相手に対してもそうして欲しいって思うんじゃないかな?」
「あーー。うーん、言われてみれば……」
「それ、止めたら?」
彼女は、ハッとし、はい、そうします!と元気に答えると、そのまま満足して部屋を出ていった。
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