初めて知った“恋”は“失恋”で。

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◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 学校の授業も終わり、家への帰り道。 私は考える。彼が気になるこの気持は一体なんなのか。 誰かに聞いてみれば、もしかしたら答えを 教えてもらえるかも知れない。 でも、私は友達にも家族にも、この事を相談する積りは無い。 漠然とだけど、この気持の正体は 自分自身で見付けないと行けない気がするからだ。 …後。後何となーくだけど。 「(もう少しこの気持を長引かせたい様な…?)」 凄く変で矛盾した話だけど。この不可思議な 気持を大切にしたい様な。或いは独り占めしていたい様な。 言い切る事の出来ない何とも複雑な気持ちが、私の胸の中にはある。 何て事を考えながら歩いて居ると、学校近くのコンビニ前を歩いていた。 チラリとコンビニの中を流し見る。 「…。…!?」 私は思わずコンビニの中を二度見してしまう。 近くを歩いていた人にちょっと不審がられたけど、 そんな事はどうでもいい事。 何故なら、コンビニの中には“彼”が居たからだ。 「(コレは…。チャンスかも知れない。)」 彼に対して私が感じているこの気持がなんなのか。 それを彼に直接聞くチャンス。間違いなくこれはチャンス! よし。コンビニから彼が出て来たら話し掛けよう。 私は彼がコンビニから出てくるのを、コンビニの外で一人待つ事に。 暫くすると。彼がミニペットボトルを片手に、 コンビニの出口へ歩いて来る。私もコンビニの自動ドアへと向かい。 「(来た!チャンスが来た!チャンス。チャンス。チャンス───)」 頭でチャンスと連呼しながら。私は彼とすれ違うようにして、 コンビニの中へと入店する。 「いらっしゃいませー。」 私はそのまま流れるような動きで、 紙パックのジュースを手に取り、レジで会計を済ませ。 コンビニを出る。 「ありがとーうございましたー。」 コンビニを出て辺りを見渡す。 当然だが彼は居るはずも無く、私は空を見上げ。 「(私は…。一体何がしたかったのかな…。)」 答えの出せない自問が心に浮かぶ。 急に体が強張り、彼に話し掛ける所か。 目を合わせる事も出来なかった。 私はコンビニで買ったジュースを飲みながら、 足取り重く。家を目指して歩き出す───
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