9人が本棚に入れています
本棚に追加
ライブが終わり、私は控え室に戻った。
差し入れのシュークリームを頬張っていると、ドアがノックされた。
「はい」
ドアがゆっくりと開き、顔をだしたのは――
「……ナオキ」
1年振りに見るナオキは、あのときと何も変わっていなかった。
髪型も、服装も、何もかも。
「どうして……」
「約束したんレナやん」
「えっ?」
「ライブすることになったら来てって言うたやん。まさか忘れたん?」
「いや、覚えてるけど、まさか本当に来てくれるなんて……」
「ほんで、こいつも来たい言うから連れてきた」
「こんにちは~」
その声に聞き覚えがある。
あのときにいた女の子だ。
「ナオキの従兄弟のミクです!」
「えっ、従兄弟!?」
「はい!」
新しい好きな人だというのが嘘だとは分かっていたけど、従兄弟だったとは知らなかった。
「レナさんのライブ、ほんっとーに素敵でした! もー感動したもん」
「ありがとうございます」
「じゃ、後は2人でごゆっくり~」
ミクさんが部屋を出ていく。
最初のコメントを投稿しよう!