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「髪の毛には魂が宿るっていうからね
よくおまじないで好きな人の髪の毛を持てば恋愛系統のおまじないは成功するって聞くけれど、ある意味相手の魂の一部を持っているようなものだから効果は現れやすいだろうね」
そう言って、クスクスと笑いながら私の怪談を読むミツ。
あれからミツは上手くクラスメイトから逃げ出してきて、現在空き教室で二人ミツの食事タイムである。
「それにしてもミツって頭よかったんだね、知らなかった」
「ありがとう、多分母に似たんだろうね
母もかなり頭のいい人だったから」
「へえ、ミツの頭のいいのはお母さん似かぁ………
ねえねえミツのお母さんってどんな人だったの?」
「前にも話したことがあるけれど、母はとても美しく聡明な人だった………
その美しさが故に、母は実の父からずっと執着され祖母の妹からは悪魔の娘と呼ばれ疎まれ、やっと平穏な生活を手に入れられたはずなのに、母は………」
そう言って、ミツは口をつぐんでしまった。
一体、ミツのお母さんに何があったのだろう………。
一つの物語が終わったのと同時に、謎が増える。
食事はまだまだ用意しなければならないようだ………。
4食目、完食。
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