5食目 ペンダント

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これは、私の友人が体験したお話になります。 私の友人である光代は、中学生の時に初めて彼氏が出来ました。 その彼は、とても優しい人で光代は初めて出来た彼氏というのもあって、初々しくもお付き合いをしていたのですが、付き合ってから五ヶ月後………彼氏は事故で命を落としてしまいました。 原因は飲酒運転の暴走の末………突然の彼氏の死に、光代は悲しみに暮れました。 毎日泣いて暮らした光代でしたが、周囲の励ましもあってか少しずつ前を向くようになりました。 それから二年後、高校に進学した光代に新しい彼氏が出来ました。 その彼は2つ年上の大学生で、最初光代は告白された時に亡くなった彼が忘れられずお断りしたのですが、何度も何度も諦めずに告白してくる姿にほだされて遂に告白を受け入れたのです。 新しい彼は大学生ということもあって、大人っぽくよく車で色々な所へ連れていってくれました。 明るく優しい人で、光代はそんな彼に少しずつ惹かれていきました。 そんなある日、明日のデートはどこか泊まりにいこうと言われ、光代は一瞬戸惑いもしましたが、優しい彼の事だしきっと素敵な場所へ連れていってくれるだろうと思い、両親に友人の家へ泊まりに行くと嘘をついてお泊まりの準備をしていた時でした。 最初は首に違和感を覚えた程度だったのですが、徐々に息がしづらくなってきて慌てて鏡を見ると、何と首にかけていたペンダントのチェーンが光代の首に食い込んでいたのです。 慌ててペンダントを外そうとする光代でしたが、何故かペンダントは外れず、光代はそのまま気を失ってしまいました………。 次に光代が目を覚ました時、そこは病院のベッドの上でした。 光代が目を覚ました事に気づいたお母さんがナースコールを押せば、すぐに先生と看護婦さんがやって来てくれて、そこで光代は初めて自分が自室で気を失って病院に運ばれたことを知りました。 気を失った原因は、ペンダントのチェーンが首に食い込んだ事による酸素不足。 ですが救急隊員が駆けつけた時には、簡単にペンダントのチェーンは外れ、また首に食い込むほどの短さではなかったそうです。 首にはチェーンの痕が残ってはいるけれど、2日くらいで消えると言われ、ホッとした光代でしたがすぐに彼氏との約束を思い出して青ざめました。
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