2章 個人的な教育実習の依頼

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「……明日の午前中にでもケビンへ電話しよう、香澄。“来月からしばらくお世話になります”って」 「メグ……それってつまり、“私と一緒に来てくれる”ってこと!?」 「もちろんよ、他ならぬあなたの頼みだもの。多少の無理はするつもりよ!」  マーガレットは彼女を歓迎する意味を込め、両手で香澄を優しく抱きしめる。最初はびっくりした香澄だったが、抵抗することなく、彼女もマーガレットを抱きしめていた。 「でも私……香澄みたいに頭良くないから迷惑かけるかもしれないけど……いい?」 「あなたがいい加減なのは、今に始まったことじゃないでしょ!? いつも通りに接してくれればいいのよ」 「あぁ~、そういうこと言う? ……だったら私もあなたの秘密、みんなにばらすわよ!?」 突拍子もない発言をするマーガレットに対し、思い当たる節がない香澄。 「学校では優等生の香澄も、実は寂しがり屋だってことよ。さっきの“お願い、メグ……”って言っていた時の顔、可愛かったわよ!」 普段見せることのない表情を見せた香澄に、“可愛かったわよ”と言いつつも、彼女をからかっている。 「ち、ちょっとメグ!? 私は別に寂しがり屋じゃないわ。変なこと言わないでよ」 「照れない、照れない。……何だったら、今日は一緒のベッドで寝る? 寂しがり屋の香澄?」 「……いい加減にしなさい、メグ!」  そんな他愛のない会話を楽しみながら、彼女たちは楽しい夜の時間を過ごしていた。
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