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ワシントン州 ハリソン夫妻の自宅 2012年5月26日 午前11時00分
引っ越しは翌月に予定していたが、ケビンから香澄とマーガレットへ連絡が入る。“予定より少し早くなる”と連絡を受けた2人は手続きを済ませ、自分たちの入居先を彼の自宅へ移すことになった。
一方で家にはハリソン夫妻が待っており、香澄とマーガレットを手厚く出迎える。
「我が家へようこそ、カスミ、メグ! これからしばらくの間、一緒に頑張っていこう!!」
「はい。……しばらくの間お世話になります!」
マーガレットはケビンと挨拶をする一方で、香澄はフローラと挨拶を交わす。
「……何だか少し複雑な気分です。と、とにかくよろしくお願いします」
「えぇ。こちらこそよろしくね、香澄」
「はい、大学一の臨床心理士が自宅にいるので、勉強はばっちりですね」
「あらあら、お上手ね。……でもね香澄、勉強だけでなくあの子の面倒もちゃんとお願いね?」
“はい”と元気な笑顔を見せる香澄は、今回の患者で新しい同居人となるトーマスの姿を確認する。だが彼女たちの話では、“友達と出かけているから、お昼にならないと戻ってこないわ”と聞く。一度は肩をすくめるが、その一方で“友達がいるのなら、今回はトラブルを起こすことはないわね”と、香澄の心はどこか安堵していた。
「お昼ぐらいに帰ってくる予定だから、その時にでも紹介するよ」
“なら仕方ないわね”と思いつつ、彼女たちは2階にある自分たちの部屋へ案内された。香澄の部屋案内はフローラが行い、マーガレットの部屋案内はケビンが行う。
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