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ワシントン州 ワシントン大学 2012年6月9日 午後6時30分
一通りの話を終えた香澄たちは、フローラへ別れの挨拶を済ませて部屋を出る。だが彼女も今日はこれで仕事が終わりということで、一足際に大学構内の駐車場で待っている香澄たち。
「フローラさんが快くOKしてくれて良かったわね。……ジェニー、本当にありがとう」
「叔母さんみたいなこと言うんだから! ……あっ、そういえば香澄」
マーガレットは何やら話しておきたいことがあるようだが、それは彼女のおしゃれに関する内容。“スタイルも顔立ちも良いのに、どうしておしゃれを楽しまないの?”という質問。
それに対し香澄は、“自分なりにコスメ品集めをしている”と言って、自分が普段から愛用している、フルーツの香りがするハンドクリームを2人へ見せる。それを手の平で伸ばしながらつけるマーガレット。
「……いい香りね。柑橘系の香りみたいだけど」
「グレープフルーツよ、メグ。私、この香り好きなのよ」
「へぇ、そうなんだ。……でも良かったわ、あなたなりにおしゃれを楽しんでいるようで」
香澄のおしゃれについて確認したマーガレットは、“彼女なりにおしゃれを堪能している”と聞いて、心の中でどこか安心する。それと同時に、“自分が普段から愛用している、化粧品を貸す必要もないわね”と1人ほくそ笑む。
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